Home / 関連記事 /

UGREEN NASの定期メンテナンス|バックアップ確認からHDD診断まで

UGREEN NASの定期メンテナンス|バックアップ確認からHDD診断まで

29/05/2026

NASは一度設定すれば基本的に自動で動き続けますが、「動いている」ことと「安全に動いている」ことは別の話です。バックアップの失敗、HDDの劣化、容量不足、セキュリティ設定の放置に気づかないまま使い続けると、大切なデータを失うリスクがあります。

バックアップの確認と検証

メンテナンス項目の中で最も優先度が高いのがバックアップです。NASが故障しても、HDDが壊れても、バックアップが存在していればデータは復元できます。

RAIDの誤解

UGREEN NASでRAID 1やRAID 5を構成している場合、「HDDが1台壊れてもデータは大丈夫」という安心感を持っている人は多いはずです。これ自体は正しいのですが、RAIDがカバーできるのは「HDDの物理故障」だけです。

ugreen nas

以下のケースでは、RAIDを組んでいてもデータを失います。

  • ランサムウェア攻撃: NASに侵入されてファイルが暗号化された場合、暗号化されたデータがそのままRAIDの全ディスクに書き込まれます。
  • 誤操作による削除: ユーザーが誤ってフォルダを削除した場合、その削除操作はRAIDの全ディスクに即座に反映されます。
  • NAS本体の物理的な損傷: 火災、水害、落雷、盗難などでNAS本体が失われた場合、RAIDの冗長性は意味をなしません。
  • 複数HDDの同時故障: 大容量HDDのRAIDリビルドには数十時間かかることがあり、リビルド中に2台目のHDDが故障すると全データを失います。

RAIDは「HDDが1台壊れてもNASを止めずに使い続けられる」ための可用性の仕組みであり、バックアップの代わりにはなりません。NASとは物理的に別の場所にデータのコピーを保管することが、バックアップの基本です。

UGOS Proの「同期とバックアップ」で外付けHDD・クラウド・別拠点に二重化する

UGOS Proには「UGREEN NASync DH2300 クラウド以上の利便性 マルチデバイス同期・外出先からもアクセス可能とバックアップ」などのバックアップ関連アプリが用意されており、NAS上のデータを別の場所にコピーする仕組みを構築できます。
バックアップ先の選択肢としては、主に次の3つが現実的です。

 

① 外付けHDDへのバックアップ(最も導入しやすい)

NASのUSBポートに外付けHDDを接続し、UGOS Proのバックアップ機能(「同期とバックアップ」など)を使ってNAS内のデータをコピーする方法です。
コストが低く、構成もシンプルなため、家庭ユーザーが最初に導入するバックアップ先として現実的な選択肢です。

ランサムウェア対策として、外付けHDDをNASに常時接続したままにしておくのは避けた方が安全です。バックアップ完了後はHDDを取り外し、NASとは別の場所に保管することで。

② クラウドストレージへのバックアップ(災害対策として有効)

NASのデータをクラウドストレージにアップロードしておくと、火災や水害、盗難などで「NAS本体と外付けHDDが同時に失われる」リスクに備えられます。

UGOS Proには「クラウドドライブ」アプリが用意されており、以下のクラウドサービスとNASの間でデータを同期できます。

対応クラウドサービス 備考
Microsoft OneDrive 対応
Google Drive 対応
Dropbox 対応

クラウドドライブ」アプリでの設定手順は、アプリを起動し「接続を追加する」から利用したいサービスを選択、認証を許可するだけで連携が完了します。

③ 別拠点のNASへのバックアップ(オフサイトの冗長化)

実家や職場など、別の場所にもう1台UGREEN NASを設置し、UGOS Proの「同期とバックアップ」で一方向の同期タスクを組むことで、オフサイトにデータのコピーを用意できます。
クラウドサービスに依存したくない、あるいは大量データを長期保存したい場合に有効な構成です。

ただし、現行のUGOS Proで同期・バックアップの対象となるのは主に「ファイルやフォルダ(およびその権限)」です。
ユーザーアカウント・システム設定・インストールしたアプリケーションまでは自動的に複製されないため、「完全なクローンNAS」というよりは、「データ用のバックアップNAS」として設計するのが現実的です。

④ バックアップ先は「NASとは別の場所」に必ず持つ

外付けHDD・クラウド・別拠点NASのどれか1つでもよいので、「NASとは物理的に別の場所」にバックアップを持っておくことが非常に重要です。

同じ棚の上にNASと外付けHDDを並べて置いておくと、火災・盗難・落下事故などでまとめて失うリスクがあります。

予算と手間を考えると、家庭ユーザーの多くにとっては、まずは外付けHDDを使った単純なコピーから始めるのが現実的です。
そのうえで余裕が出てきたら、クラウドや別拠点NASなど、より強力なオフサイトバックアップを追加していくとよいでしょう。

UGOS Proのアップデートを確認する

UGOS Proのアップデートは、セキュリティ修正や機能改善を反映するために重要です。ただし、NASは写真・動画・仕事用ファイル・バックアップデータを保存している機器なので、何も確認せずに更新するのは避けてください。

アップデート前に確認すること

確認項目 やること
バックアップ 重要なデータのバックアップが直近で成功しているか確認する
ストレージ状態 ストレージプール、ボリューム、HDDに警告が出ていないか確認する
実行中の作業 ファイル転送、バックアップ、クラウド同期が動いていないか確認する
利用者 家族やチームがNASを使っていない時間帯を選ぶ
電源 更新中に電源が切れない環境で実行する

特に、HDD警告、ストレージプールの劣化、RAIDの再構築中、バックアップ失敗がある場合は、先にその問題を解決してください。問題がある状態でUGOS Proを更新すると、トラブルが起きたときに原因を切り分けにくくなります。

UGREEN NASシステムのアップデート手順

UGOS Proのシステムアップデートは、Web管理画面から実行できます。

  1. ブラウザでUGREEN NASのWeb管理画面を開き、管理者アカウントでログインする
  2. メニューから「コントロールパネル」→「アップデートと復元」を開く
  3. 「システムアップデート」内の「今すぐ更新する」をクリックする
  4. 利用可能なアップデートが表示されたら、更新内容を確認する
UGREEN NASシステムのアップデート手順
  1. バックアップ、ストレージ状態、実行中タスクに問題がないことを確認してから更新を開始する
  2. 更新中はNASの電源を切らない
  3. 再起動が必要な場合は、処理が完了するまで待つ
  4. 更新後、Web管理画面に再ログインしてシステムが正常に動作しているか確認する

UGOS Proのアップデートは、最新化すること自体が目的ではありません。目的は、UGREEN NASを安全に使い続けることです。

HDDの健康状態をチェックする

NASに搭載されているHDDには、S.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)という自己診断機能が組み込まれています。S.M.A.R.T.はHDDの内部状態(温度、エラー回数、稼働時間、セクターの状態など)を常時記録しており、この数値を定期的に確認することで故障の予兆を捉えられます。

UGOS ProでS.M.A.R.T.情報を確認する方法

UGOS Proでの確認手順:

  1. UGOSの管理画面にログインする
  2. 「ストレージマネージャー」→「ハードディスク管理 」を開く
  3. 確認したいHDDを選択する
  4. 「…」→「詳細情報 」→「S.M.A.R.T. 情報 」からS.M.A.R.T.の項目一覧を表示する

ヘルスチェックプランの実行:

手動でテストを実行することもできます。テストには2種類あります。

  • 迅速な診断: 周に1回の定期チェックにはこちらで十分です
  • 完全な診断 : 月に1回程度の実施を推奨します

テストはバックグラウンドで実行されるため、テスト中もNASを通常どおり使い続けられます。ただし、テスト中はHDDへの負荷がかかるため、大量のファイル転送や動画のストリーミング再生と重なると、体感速度が低下することがあります。就寝前や外出前など、NASへのアクセスが少ない時間帯に実行するのが実用的です。

セキュリティ設定を定期的に見直す

セキュリティは一度設定すれば終わりではありません。パスワードの漏洩、新たな脆弱性の発見、家族構成の変化などによって、設定時には問題なかった構成が時間の経過とともにリスクを抱える場合があります。年に1回、以下の3点を確認する習慣をつけてください。

パスワードとMFAの確認

確認すべきポイントは以下のとおりです。

  • パスワードが12文字以上で、大文字・小文字・数字・記号を含んでいるか
  • 他のサービス(メール、SNS、クラウドストレージ等)と同じパスワードを使い回していないか
  • 家族の共有アカウントに「password」「123456」のような推測しやすいパスワードが設定されていないか

特に「使い回し」は最大のリスクです。他のサービスでパスワードが漏洩した場合、同じパスワードを使っているNASにも不正ログインされる可能性があります。

MFA(2要素認証)の確認:

MFAが管理者アカウントに有効になっているか確認してください。初期セットアップ時にMFAを設定していない場合は、このタイミングで有効化することを強く推奨します。MFAを設定しておけば、仮にパスワードが漏洩しても、認証アプリの6桁コードなしではログインできないため、不正アクセスの最後の防御線として機能します。

リモートアクセス(UGREENlink等)を有効にしている場合は、MFAの重要性がさらに高まります。外部からNASに接続できる状態で、パスワードだけの認証は脆弱です。

MFAの設定手順についてはNASの二要素認証設定ガイドで詳しく解説しています。

アカウント活動ログの確認(不審なアクセスがないか)

UGOS Proの「ログ」機能では、NASへのログイン履歴と現在接続中のデバイスを確認できます。

確認項目1:見覚えのないログイン履歴がないか

ログイン履歴には、アクセスしたアカウント名、日時、IPアドレス、デバイス情報が記録されています。自分や家族が使っていない時間帯にログインの記録がある場合や、見覚えのないIPアドレスからのアクセスがある場合は、不正ログインの可能性があります。

不審なログインを発見した場合は、即座に以下の対応を取ってください。

  • 該当アカウントのパスワードを変更する
  • MFAが未設定であれば有効にする
  • 該当するアクティブセッションを強制終了する

確認項目2:ログイン失敗の記録が集中していないか

短時間に大量のログイン失敗が記録されている場合、ブルートフォース攻撃(パスワード総当たり)を受けている可能性があります。この場合は、ファイアウォール設定やアカウントロックダウン機能の閾値を見直してください。

アカウント保護の詳細な設定方法についてはNASのアカウント保護ガイドを参照してください。

不要なサービス・ポートの無効化

NASの運用を続けていると、初期設定時やテスト時に有効にしたサービスがそのまま放置されていることがあります。使っていないサービスが有効なままだと、攻撃者が狙える経路が増えます。

年に1回、以下の項目を確認し、使っていないものは無効にしてください。

FTP: 現在のNAS運用でFTPを使う場面はほとんどありません。ファイル転送はSMBやUGOSアプリで代替できます。テスト時に有効にしたまま忘れているケースが多いため、確認してオフにしてください。

SSH: Dockerの設定やトラブルシューティングで一時的に有効にした場合、作業完了後にオフに戻しているか確認してください。SSHを常時有効にしておくと、外部からのブルートフォース攻撃の対象になります。

リモートアクセス(UGREENlink等): 外出先からNASにアクセスする必要がなくなった場合は、UGREENlinkをオフにすることで攻撃面を最小限にできます。必要になったタイミングで再度オンにすれば十分です。

ポート転送(DDNS設定): ルーター側でNASへのポート転送を設定している場合、そのポートがまだ必要かを確認してください。UGREENlinkやTailscaleに切り替えた後もポート転送を放置しているケースがあります。不要なポート転送は、NASの管理画面をインターネットに直接さらすリスクを生みます。

セキュリティ設定全般の考え方と、リモートアクセスを安全に運用するための設計についてはNASリモートアクセスのセキュリティ設定で詳しく解説しています。

設置環境と物理面の確認

UGREEN NASは本体内部のファンで冷却する設計になっており、筐体の通気口から外気を取り込んでHDDやCPUの熱を排出しています。通気口にほこりが溜まると空気の流れが妨げられ、内部温度が上昇します。

① 通気口のほこり確認と清掃

NAS本体の前面・背面の通気口を目視で確認し、ほこりが溜まっていたら取り除いてください。清掃はNASの電源を入れたまま、外側から行うだけで十分です。

  • 通気口に付着したほこりは、乾いた柔らかい布やハンディモップで軽く拭き取る
  • エアダスター(圧縮空気スプレー)を使う場合は、通気口の外側から軽く吹き付ける
  • 本体内部を開ける必要はありません。外側の通気口のほこりを取るだけで冷却効率は維持できます

② 設置場所の環境チェック

NASの設置場所が以下の条件を満たしているかを確認してください。

  • 通気スペース: NASの前面・背面に最低10cm以上の空間があるか。壁や棚の奥に密着させると排熱が滞留し、内部温度が上昇します
  • 直射日光: 窓の近くに設置している場合、季節によって直射日光が当たる時間帯がないか。夏場の日差しでNAS表面が熱くなると、内部温度も連動して上昇します
  • 他の発熱機器との距離: ルーター、外付けHDD、ゲーム機など他の電子機器と密着して設置していないか。複数の発熱機器を同じ棚に詰め込むと、周囲の気温自体が上がります
  • 床置き: カーペットや畳の上に直接NASを置くと、底面の通気が妨げられるだけでなく、ほこりを吸い込みやすくなります。可能であれば硬い台の上に設置してください

UPSのバッテリー状態の確認

UGREEN NAS用UPSを接続している場合、UPS自体のメンテナンスも忘れないでください。UPSの役割は停電時にNASを安全にシャットダウンする時間を確保することですが、バッテリーが劣化していると、停電時に必要な給電時間を確保できません。

① バッテリー残量の確認

UPSのインジケーターまたはUGOS Proの管理画面で、バッテリーの充電状態を確認してください。常時NASに接続されている状態であれば満充電が維持されているはずですが、長期間NASの電源を落としていた場合などはバッテリーが放電している可能性があります。

② 給電テスト

UPSが実際に動作するかを確認する最もシンプルな方法は、NASが稼働中にUPSの電源ケーブルをコンセントから抜いてみることです。UPSがバッテリー給電に切り替わり、NASが動作を継続すれば正常です。数秒間確認したら、すぐにコンセントに戻してください。

バッテリー給電に切り替わらない、またはNASが即座にシャットダウンする場合は、UPSのバッテリーが劣化している可能性があります。

③ 接続の物理確認

UPSとNASの間の電源ケーブル、UPSとコンセントの間のケーブルが確実に接続されているかを目視で確認してください。清掃や模様替えの際にケーブルが緩んだまま気づかないケースがあります。UPSが接続されていない状態で停電が発生すると、NASは即座に電源断となり、データの破損リスクが生じます。

まとめ

UGREEN NASのメンテナンスは、特別な技術知識がなくても実行できるシンプルな作業の積み重ねです。

最も重要なのはバックアップの確認です。NAS本体が故障しても、HDDが壊れても、ランサムウェアに感染しても、バックアップが正常に動いていればデータは復元できます。メンテナンスに割ける時間が限られている場合は、月に1回「同期とバックアップ」アプリを開いて最終実行日時を確認する、これだけは習慣にしてください。

目次
Related Reads
家族とNASの写真を共有する方法【2025年12月更新】
家族とNASの写真を共有する方法【2025年12月更新】
09/09/2025